メーカー製PCにPCIのグラボを積んでみる (2012/8/19)

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だいぶ前の話になってしまったがいつか書こうと思ってはいたので書いてみることにする。

twitterで時々喋っているのだが10年くらい前のPCを作業用として使っている。プログラミングを楽しんだりお絵かきをしたりするには特に不満のない動作をしてくれるが、MUGENに関して言えば普通60FPSで動作するはずが40FPS前後でしか動かない。早い話がスペック不足だ。製作したキャラの動き方、見え方が使用者の感じるものと違うという現象が起こりうるというわけなのだ。(あまりストレスは感じないが)

使用しているのはNEC製のVALUESTAR(PCーVL500?)で、自作というわけでもなく根本的な機能増強の余地は狭い。数年前にHDDが壊れたときは力技で換装したがその程度である。

ここは思い切ってグラフィックボードを載せてパワーアップを図ってみようと思い、ネットの情報を調べて回るといくらか情報が見つかった。

一番の問題はそもそもメーカー製PCにグラボを差しても大して速くならんだろう、という意見が多いということだ。 このパソコンで拡張ボードを載せると言っても、使えるグラボは「PCI」のもの限定である。今ではPCI express規格のものが多数を占めるが、そんな端子が10年前の市販PCにあるはずもない。で、ここがポイントだがPCIに接続するグラボは遅いのだ。これはPCIの転送スピードの限界がグラボの転送スピードを下回っているからである。こればかりはどうしようもない。しかも昔からよく言われている話で、それはつまり昔から飛躍的に性能が向上したであろう今のグラボ相当の力を得ることは絶対に不可能だろうということである。

だが自分が求めているのは新しめの3Dソフトをサクサク動かすことではなく2DゲームであるMUGENの速度向上であるし、現状(10年前のPCでしかもグラボなしの描画能力)と比べれば、PCIのグラボを積むことによる性能強化は期待できるのではないかと思い、探すことにした。

(ちなみに念のため書いておくが、上手く動かなかったという報告も上がっている。元々グラボの搭載を想定しておらず内蔵グラフィック機能を常に優先させるものもあり、使えないものがあったりするようだ)

電気店でPCIのグラボを探すと、意外と今でも新品が売っているのだが、いかんせんマニアックな製品のため種類が少なく、その上高い。安いものでも5000円はした。ただでさえ悪い性能に甘んじなければならないのにこの価格は高い、というか、それなら新しいPCを買う。まあ、今のが動いちゃうから使っているわけだが。

そして、中古のを取り扱っている店で運良く1500円のものを発見した。レジに持っていくと「モノがモノなので……性能はお察しくださいって感じですけど大丈夫ですか?」との言葉を頂くが、これで大丈夫です。きっと性能アップします。

買ったグラボはこちら。

グラボの写真 Radeon9250という、早い話が何世代も前の古いものだ。最近のは「HD」って付いているし、第一会社も今はATIではなくてAMDだったはず。2004年と2005年の受賞シールが付いているところを見ると、2006年頃の品だと伺える。PCが2002年くらいの品なのでこれでも十分であろうし、動かなくても授業料として割り切るつもりであった。 ちなみに買って帰って調べてみると「地雷品」との書き込みが見られたが、気にしない(メモリバス幅が64bitというのが通常の半分の値なんだとか)。

早速PCケースのカバーを外して取り付け。ディスプレイのコネクタをグラボに付け変えて、PCを起動した。 BIOSの設定でビデオ設定をPCI優先に変更。おっ、映った!

最初は画面がいやに黄色かったのでこれはだめかと思ったが、コネクタを差しなおしたら解決。 起動した際には何か新しい機器を付けたときに必ず出てくる「ハードウェアの追加ウィザード」が出てくるが、提示されたデバイス種類が意味不明だったのと、ひとまず無視しても映ってはいるのとで、ひとまずキャンセル。使用OSが古い(サービスパックを適用していないWindows XP)ためネットで最新版をダウンロードして使うということはせず、一緒に付いてきたCD-ROMからドライバをインストールした。

再起動すると、「ユーティリティの起動に失敗しました」的なメッセージが出て怪しい。しかし今はどうしようもない。 ここでデバイスマネージャを確認する。グラボ導入前のディスプレイのドライバを確認。今はなににも使われていないので、右クリックして「無効」にしておく。調べた限りでは、削除しても復活するのではないかと思われる。ちなみに無効にしている以上、ここを有効にしない限り元のコネクタにディスプレイを繋いでも映像は映らない。何らかの原因でグラボが壊れたりしたらお手上げなので注意だ。

そしてグラボのデバイスが新しく入っているのが確認できたが、見ると何故か同じモノが2項目ある。なんだこれは!? と思ったら、どうやらデュアルモニタ使用時にサブディスプレイのデバイスも入っているということらしかった。ディスプレイは一つしか使っていないので、一応無効に。

ユーティリティのエラーは何度か再起動したら出なくなり、ちゃんと設定を行うことができた。

肝心の描画能力については……

結論からいうと上々。間違いなくパワーアップしている。MUGENもそうだが、自作ソフトのQUMASAN!もかなりスピードを出すようになって難易度が上がった。(ぇ そして、グラボ自体がDirectX(8.1)をサポートしているのでこれを使ったゲームの速度が特に上がった印象がある。四星龍神録(東方風のSTG)がこれまで10~20FPS程度しか出ておらず遊ぶのは到底無理だったが、タイトル画面と大量の弾が表示されているときを除いて最大スピードをコンスタントに発揮していた。DXライブラリを使ったゲームの製作モチベが向上したという感じである。

だが、罠が一つあった。 ネットでの調査ではPCI自体の転送速度の低さばかりが問題になっていたが、ほかにも問題があったのだ。

どうやらPCIの転送速度は、一緒にほかのPCI接続機器を繋いでいると低下するようなのだ。つまり同じ転送速度を複数のボードで取り合うという感じである。ほかのボードを外した状態と取り付けた状態ではゲームの描画速度に差が確認されたのだ。

そしてもっと悪いことにこのPCの場合は、PCカードも同じようにPCIのデータ転送を奪い合っていたのだ。

なにしろ10年前のPCである。USBは2.0が出回り始めたばかりで、この愛機に付いているUSB端子はすべて1.1なのである。それを補うためにPCカードやPCIでUSB2.0を確保していたのだが、グラボのスピードを最大限生かそうとするとこれを取り外さなければならない……!

という落とし穴を受けて狼狽はしたが、はっきり劣るとはいえPCカードをつけたままでも導入前より速度は出る。ひとまずどうしても描画速度を求めるときはPCカードを取り外すことにし、ほかのPCIボードは取り外した。TVチューナーボードはそもそも使ってない上デジタル放送になったから用済みだろうし、LANボードもネットに繋がないので外す。

というわけで、PCIのグラボを市販のPCに導入するのは、メリットもあるがデメリットや穴も覚悟しておいた方がよい、という感じの結論となった。余程古いPCなら性能は上がるとみて良さそうだが、ほかの強化パーツを削るか速度を削るかの二択で悩まなければならないかもしれないのでご注意である。

p.s. なおMUGENの速度だが、60FPSをコンスタントに維持できるほどは速くならなかった。PCカードも外した状態でカンフーマン同士であればD4画面でも常に60FPSだが、そこそこ派手なエフェクトを使うD4キャラとかがいると、描画量が多いと感じたときにはFPSが落ちた。