2009/05/12

 まあこの字自体は普通に見られるし、普通に使われていることだろう。 「け」と読んで、生物の皮膚に生えてくる細長いやつ(結構説明しづらいな)を指すことが多い筈だ。 しかしここで紹介するのは「もう」と読ませる方で、この場合、生物の繊維とかは関係ない。
 「もう」と読むと数量の単位になり、「1の1/1000」を指す。いわば「ミリ」である。 だが日常生活で毛を使うことはごく稀であり、活躍可能な場所の殆どにはミリが鎮座しているのである。  だから「ミリメートル」を「毛メートル」と書き換えても意味の上では何も変わらないのだが、こうして書いてみると言いようのない違和感が漂う。間違ってないのに。
 実際にはメートルも漢字で表記すれば「毛米」となるので、こう書けば何となく使えそうな気がしてくるが、口で言う分にはどちらも変わらない。残念なことだ。
ちなみに毛の1/10が「糸」、その1/10が「忽」、さらに1/10が「微」といった具合に、小さな数の単位の日本語は結構取り揃えられてある。 万、億、兆……といった大きな数の単位にも負けない位のレパートリーがあるのだが、哀しいことに使われる機会があまりにもなさ過ぎる。 もう少し使ってやればいいのにと思うが、グローバルな表記じゃないから化学や物理学で使えないし……。前途多難。
 いずれ日本の円の貨幣価値が恐ろしく上がってスーパーデフレみたいなことが起これば、1毛円の紙幣やら鋳造貨幣やらができるかもしれない。 こっちは多分「ミリ円」にはならないと思うので、毛の知名度を上げるにはそのくらいしか道がないような気がする。

用例

・調査の結果、B旅館303号室の人形の髪の毛が二毛米伸びていることが明らかとなった。
・1000毛秒が1秒だ。





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