らずの雨

2009/08/04

「やらずのあめ」、と読む。読み方は大したことない。意味は、「人をその場に留めさせるかのように降る雨」。まあ意味も何となく察しは付くと思う。
しかしこの言葉、言葉として発する事はまずないと思う。「やや、これは遣らずの雨が降ってきましたな」なんて台詞はそれっぽいけれど、誰が使うんだ。
恐らく、いやほぼ確実に文語表現だろう。文語であっても、最近の小説とかに出てくるかどうかは分からないが。
雨が降ると人はその場を発つのを躊躇する、というのは小さい頃は良くあった(もっとも、表現としては「だっるいな〜」とかいう方が合っているだろうが)。最近ではあまりない。多忙な社会になったためかあまり現実味を帯びなくなったような気がする。
雨が降ってきたから家に戻り、客人(もしくは家の主人)とまた話を続ける……なんて場面が想像できる。風情あるよなあ。多分ちゃぶ台に煮物が置かれているだろう。家の主人は「まあまあ……」とか言いつつ日本酒を注ぐに違いない。壁は土気色でじめっとした感じだろう。
いつ頃出来たんだろうか、この言葉。

用例

・玄関の向こうには遣らずの雨が降ってゐた。
・今日は全国的に遣らずの雨が降るでしょう。





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